国債の利回りは単なる資産運用のパフォーマンスとして利用するだけではなくて、経済活動の利回りとして用いられたり、あるいは政策として用いられたりします。
景気が良い状態であれば資金需要は高くなります。それによって、金利が高くても借りたいという企業や人が増え、その結果金利は高くなる傾向にあります。現在は非常に金利が低い状態ですが、これにはいくつかの理由があります。一つは資金需要が低いことです。資金需要が低いために、金利が高いと借りないという状況が起き、低い金利で推移していると考えられます。
もう一つは景気対策です。企業としてはできるだけ低い金利で借りたいと考えるのが普通です。ですから、金利を低くすることによって企業が資金調達をしやすくなり、それによって設備投資が促されて景気が回復すると考え、低金利の政策がとられます。
低金利に誘導するための方法としては、国債を買い取るという方法が用いられます。国債である必要はないのですが、何らかの債券を買い取ればアービトラージによって他の債券もリスクに応じて買い上げられます。それによって、全体的に金利が低くなるのです。資産運用の手段としての国債とは別の意味で用いられていると言えるでしょう。
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